1.用途地域建築基準法上、住宅は工業専用地域では建築することが出来ません。その他の用途地域では建築可能です。工業系の用途地域でも住宅化が進む地区があります。住居系の用途地域に隣接した、容積率、建ペイ率の高い準工業地域などが狙い目です。
2.傾斜地、不整形宅地ハウスメーカーが建てられない条件の厳しい土地は比較的安い価格で流通しています。工夫次第では良いものができます。不整形地の価格は対象地の存する近隣地域の標準的土地建物の利用形態からその不整形状でどの程度の支障、阻害を受けるかで決定されるそうです。
3.狭小宅地都心居住の一つの方法として、狭小宅地に建てる建築が注目されています。古くは東孝光さんの塔の家、最近では杉浦伝宗さんの「ちっちゃな家」シリーズが有名です。
都市計画的に見れば狭小宅地は防災面や環境面から問題があります。それを乗り越える工夫がないとタダの狭い家になってしまいます。
4.競売物件リスクが高い分、価格は安いといわれています。現地に行って物件(事前に建物内部を見ることは出来ない)を確認することが必要です。競売物件に人が住んでいる場合には,その明け渡しを買受人が自ら交渉しなければなりません。入札に参加するには最低売却価額の20%の保証金が必要です。競売では代金を分割して納入することはできない(約1か月後までに入札金額から保証金を除いた代金を一括して納付)ので,あらかじめ資金のめどをつけておく必要があります。平成
10年12月の民事執行法の改正により,金融機関のローンを利用することが容易になったようです。
5.定期借地権住むことが目的なら土地は借地でもいいはずです。定期借地権を使うと、借主は高額な権利金を負担することなく長期間土地を借りられます。集合住宅では、建物穣渡特約オプション付きの一般定期借地権とスケルトン−インフィルなどを組み合わせた「つくば方式」と呼ばれる供給方式が注目されています。
6.コーポラティブハウスコーポラティブ方式とは「自ら居住するものが、組合を結成し、共同して事業計画を定め。土地の取得、建築の設計、工事発注その他の業務を行い、住宅を取得し、管理していく方式」です。容積に余裕がある場合、コーポラティブハウスのように共同で建てれば、土地取得の費用を低減できます
7.スケルトン−インフィル住宅構造躯体などの共用部分(スケルトン)と内装などの私的部分(インフィル)を2段階に供給する方式をスケルトン−インフィル方式といいます。高耐久性の躯体が人工の土地のように機能して、各自がそこに自由に住宅を建設することができれば、我々は高い土地のの価格に苦しまなくてすむはずです。しかし、現実には人工土地は建築基準法や区分所有などの制度が障害になってなかなか実現されません。前述のつくば方式が漸く事例を増やしてきたようです。
8.長屋の見直し住宅地には使い道のない中途半端な隙間がたくさんあります。この隙間がないのが長屋です。土地の有効利用を考えるなら長屋形式はもっと見直されていいはずです。
現代の建築は火災に対して強くなってきています。八王子みなみ野では都市公団が単独所有権(マンションは区分所有権)の長屋を計画しているようです。
9.中古住宅のリフォーム日本では現在5000万戸の住宅があるといわれています。中古住宅として市場に流通するのは僅かその0.3%の15万戸ほどです。1年に120万戸建設される新築住宅と比較しても大変少ない数字です。新築せずにリフォームやリニューアルで住みこなせる住宅は無数にあるはずで、これからの重要な課題となることは間違いありません。
10.用途転換中古住宅に限らず、倉庫や廃校になった学校、事務所ビルなどその気になればいくらでも住宅に転用出来る空間はあるはずです。
店舗や美術館は事例をよく目にしますが住宅はあまり聞きません。
11.自力設計住宅は自分で設計するのが一番いいと思います。自分で出来ない部分を専門家にフォローしてもらい、作業量に応じて費用を支払うことにすればそれなりにコストダウンが計れます。例えば、実施設計だけを設計事務所に依頼したり、コスト管理をコーディネーターや積算事務所に依頼したり、性能管理を公的検査機関に依頼したりする方法が考えられます。
12.自力発注施主が様々な工事業者に直接分離発注すれば、工務店などに支払う経費(直接工事費の10〜20%程度)の一部を節約できます。オープンネット株式会社(鳥取県)は、分離発注に伴うリスクを回避する保証制度を東京海上火災と協力して整備しています。デメリットは施主がサブコンと契約を直接結ぶため原則として契約ごとに費用が必要なこと、仮設工事が高く付くことなどです。
13.見積比較複数社に見積をとれば価格が比較できます。但し、見積書をきちんと読み込まないと危険です。設計事務所などに相談し、単価、数量、経費などについて精査する必要があります。
14.分離発注と一体発注外構と建築を一体で発注したり、2棟の住宅を一度に発注したりすれば理論上は経費や仮設の低減になります。また見積段階で外構工事だけが高い場合、それだけ分離発注するといった方法もあり得ます。
15.近場の工務店見積書には必ず経費が計上されます。一般的にはハウスメーカーの様に広告費に莫大な費用をつぎ込めば当然経費も高くなります。工務店の営業範囲が一定のエリアに限られていれば、移動や輸送にかかる時間と費用が節約できるので経費は下がります。会社の規模が大きくなれば事務経費が増えます。理屈から考えれば近場の零細工務店が良心的な価格で施工してくれればそれに超したことはありません。
16.保証保証のしっかりしていない施工者には仕事を頼むべきではありません。10年瑕疵が義務づけられたとはいえ、当の工務店が倒産してしまったりしたら、安く作った筈が結局高い買い物になってしまうことも有り得ます。すべて任意ですが地盤の保証制度、完成保証制度、性能保証制度、性能表示制度などがあります。
17.家づくりの目的は?建物の仕様を変更しても減額には限りがあります。本気でコストダウンを考えるときには建築条件の見直しが不可欠です。特にライフスタイルの変更を伴うものであれば施主の判断無しに事は運びません。条件の変更を考える時は、後で後悔しないためにも、家づくりの目的をはっきり明確にしておくことが必要です。
18.土地の高度利用化土地の高度利用をすれば、同じ規模の建物でも少さな土地に建設することが可能です。東京の都市部など本来もっと高度利用が図られるべきです。ある程度のまとまった土地があるなら住宅を集合化したり、店舗や事務所と複合化することが必要になります。
19.規模の縮小性能を落とさずにコストダウンを図る最も手っ取り早い方法は、建築の規模を小さくすることです。建築工事の材料費や施工費は建築の規模に依存するので、規模を縮小することはあらゆる面でコストダウンにつながります。ただし、設計においても、生活においても様々な工夫が必要となります。公庫の融資を受ける場合、面積の下限もあるので注意してください。